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スレッド
スレッド(Thread)は、プログラム内で同時に実行される軽量な処理の単位です。
コンピュータ上での処理は一見順番に実行されるように見えますが、実際には多くのプログラムが同時に走り、処理を共有しています。スレッドは、そのような並列処理を実現するための仕組みです。
スレッドの特徴
- 並列処理:複数のスレッドが同時に実行されることで、複数のタスクを同時進行できます。例えば、ウェブブラウザでウェブページを読み込みながら音楽を再生するとき、それぞれのタスクは異なるスレッドで実行されています。
- 軽量性:スレッドはプログラム内の軽量な処理単位であり、複数のスレッドを作成しても、それぞれの切り替えや管理が効率的に行われます。
スレッドの作成と実行(Javaでの例)
Javaでは、Thread
クラスを拡張することや Runnable
インタフェースを実装することでスレッドを作成できます。
Threadクラスを継承する方法:
class MyThread extends Thread {
public void run() {
// スレッドが実行する処理を記述
for (int i = 0; i < 5; i++) {
System.out.println("Thread: " + i);
}
}
}
public class Main {
public static void main(String[] args) {
MyThread thread = new MyThread();
thread.start(); // スレッドの実行
}
}
Runnableインタフェースを実装する方法:
class MyRunnable implements Runnable {
public void run() {
// スレッドが実行する処理を記述
for (int i = 0; i < 5; i++) {
System.out.println("Runnable: " + i);
}
}
}
public class Main {
public static void main(String[] args) {
Thread thread = new Thread(new MyRunnable());
thread.start(); // スレッドの実行
}
}
スレッドの注意点
- 競合状態(Race Condition):複数のスレッドが同時にデータにアクセスする場合、予期しない結果を引き起こす可能性があります。適切な同期手法を使用することで競合状態を避ける必要があります。
- デッドロック(Deadlock):複数のスレッドがお互いのリソースを待ち続け、進行不可能な状態に陥ることがあります。これを防ぐために、スレッドのリソース利用を注意深く管理する必要があります。
スレッドは、効率的な並列処理やタスクの分散を可能にし、多くのプログラムで重要な役割を果たしています。しかし、適切な管理や同期が必要とされることを理解しておくことが重要です。